鹿児島県湧水町のゴマの加工販売会社「鹿北製油」は30日、外国産のゴマを混ぜて「国産」と偽って商品を販売していたことを明らかにした。和田久輝社長は取材に対し「県産のゴマが不作で値上がりし、やってしまった」と説明。県警は、不正競争防止法違反などの容疑を視野に捜査する方針。
和田社長や同社ホームページ(HP)によると、偽装したのは「国産すりごま(白)30g」「鹿児島産黒ごま油100g」など17商品。3年ほど前から原材料の半分程度は、南米産や東南アジア産を使っていた。外国産の仕入れ価格は国産の約4分の1だったという。29日夜、県に自主的に偽装を報告した。同社は「安全性は問題ない」としているが、偽装した商品の回収を進めるという。
同社は1949年創業で、出荷先は全国各地で約300カ所。HPなどで「国産原料にこだわる」などとPRしていた。
和田社長は「私が単独でやった。消費者や農家の方にご迷惑をおかけし、申し訳ない」と話している。(大崎浩義、井東礁)