2学期が始まる直前だった8月下旬、東日本に住む男子高校生が1通のメールを書いた。「クラスのほとんどが僕を、菌のように扱ってきました」。高校生が悩みを打ち明けたのは、親でも相談機関でもなく、大好きな男性ミュージシャンだった。ほどなく、高校生は自ら命を絶った。
「来世はいじめなんてなくなってることを祈ります」。ミュージシャンの悠々ホルンさん(32)のもとに8月下旬、男子高校生からこんなメールが届いた。
実名とともに、複数の同級生から教科書を隠されたり金銭を要求されたりしていることや、家族や親友への謝罪と感謝の気持ちをつづり、さらにこうも書いた。「このメールが、家族の誰かに気づかれることを願います。悠々ホルンさんに送っているのは、僕を支えてくれたこと、そして、僕に起きていたことの実態を伝えてほしいからです」
悠々さん自身、複雑な家庭環境…