2025年万博の日本誘致に向け、政府は地元の大阪府や大阪市、そして財界とタッグを組み、「オールジャパン」の体制で取り組んできた。20年の東京五輪後の日本経済にとって、万博は「地域経済が活性化する起爆剤になる」(安倍晋三首相)との期待からだ。
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そんな万博誘致論は、いつ持ち上がったのか。
14年夏。当時、大阪市長だった橋下徹氏が代表を務めていた大阪維新の会が経済政策の一環として掲げた。15年には松井一郎府知事(現維新代表)がミラノ万博を視察して誘致を模索。ただ、まだ府の幹部ですら「夢物語」だった。
事態が動いたのは15年12月。橋下、松井両氏が安倍首相や菅義偉官房長官と都内のホテルで会談し、誘致への理解を求めた。首相は前向きな姿勢を示し、菅氏も経済産業省などに、府への協力を指示した。
長期政権を見据えた首相にとっ…