国際自然保護連合(IUCN、本部スイス)は14日、絶滅の恐れがある野生生物を記載した「レッドリスト」の最新版を発表した。世界の9万6951種を評価し、2万6840種を絶滅危惧種とした。絶滅危惧種の数は、今年7月に公表されたレッドリストよりも643種増えた。 アフリカ中央部に生息するマウンテンゴリラは、これまで絶滅の恐れが最も強い「絶滅危惧1A類」に分類されていたが、生息数が増えているとして危険度を1段階引き下げ、「絶滅危惧1B類」と評価した。2008年の生息数は推計約690頭だったが、密猟対策や獣医師の活動など保全が進んだ結果、18年の推計では1千頭超に増加したという。ただ、IUCNは「まだ危機状態にあり、保全活動を続ける必要がある」と警告している。 また、世界の海に生息するナガスクジラも「絶滅危惧1B類」から「絶滅危惧2類」へ危険度が1段階引き下げられた。商業捕鯨の禁止で、生息数が1970年代からほぼ倍の10万頭まで増えたためだという。 一方、沖縄近海などに生息し、食用にもなるマダラハタを「絶滅危惧2類」とするなど、ハタ類全167種のうち13%を絶滅危惧種とした。「特に発展途上国の沿岸地域の食料安全保障で大きな懸念がある」と指摘している。(川村剛志) |
マウンテンゴリラ、絶滅リスク引き下げ 690→1千頭
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