幻の巨大ザメと呼ばれるメガマウスザメの骨格標本の常設展示が7日、千葉県鴨川市の鴨川シーワールドで始まった。同館によると、メガマウスザメの全身骨格標本の制作と展示は世界初という。
千葉)鴨川シーワールドでメガマウスザメを解剖
メガマウスザメの捕獲例は世界で135例、うち国内では23例と少なく、生態には謎が多い。標本化したのは同県館山沖で昨年5月、定置網にかかった22例目のメスで、体長約5・4メートル、体重約1・2トンだった。
大きく口を開いた骨格標本は北海道大学の仲谷一宏名誉教授(73)が監修し、文化財の保存処理技術に定評がある吉田生物研究所が制作。骨格は水分を多く含む軟骨で、そのまま乾燥させると収縮してしまうが、軟骨内の水分を固形のアルコールに置き換える特殊な処理を施すことで標本化に成功した。仲谷さんは「プランクトンを捕食している姿を再現した」と話す。
8日の記念イベントでは仲谷さんが特別講演し、標本に直接触れることもできる。問い合わせはシーワールド(04・7093・4803)へ。(恵原弘太郎)