米国の有人宇宙船が持ち帰った「月の石」、自動的に体を洗ってくれる流線形の「人間洗濯機」――。「未来という感じで、それがすごくうれしかった」。ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥・京都大教授(56)は、1970年の大阪万博をそう振り返る。
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【特集】大阪万博、夢よ再び
テーマは「人類の進歩と調和」だった。最新の科学技術を背景に「光り輝く未来」を提示した展示は、多くの来場者をひきつけた。
翻って、今回の万博。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、東大阪市出身の山中さんも招致活動に協力する。世界中から最新技術を持ち寄り、健康で豊かに生きる。政府は、万博をそのための新たな方法を探る「実験場」と位置づける。
会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)には、「環境との調和」をコンセプトのひとつとして、最新の環境技術を注ぎ込む。電力は、メガソーラー(大規模太陽光発電施設)でまかなう。「人工光合成」によってメタンを合成。夏場の空調機器から出る熱は地下水に逃がす。藻から培養したアルコールやガスを使って、会場内を移動する自動車をうごかす。海水を淡水化するシステムを取り入れ、飲料水をつくるという。
また、会場ではロボットが来場…