菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、ロシアのプーチン大統領が1956年の日ソ共同宣言に記載されていない歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の「主権」に言及したことについて、「歯舞群島および色丹島が返還されることになれば、当然、それらに対する日本の主権、これも確認されることになる」と述べ、主権問題はないとの認識を示した。
プーチン氏は15日の記者会見で、56年宣言について「すべてが明確ではない。2島は引き渡すが、どんな条件で、どちらの主権になるかは触れられていない」と述べ、主権問題が解決されていないと強調。今後の交渉対象になるとの考えを示していた。菅氏の発言はこれに反論するもので、日ロ間での認識の違いが改めて浮き彫りになった。