岩手県釜石市に住む井上淑子(よしこ)さん(81)が、安倍晋三首相に反戦平和を訴えるはがきを毎日1通ずつ書いては投函(とうかん)し続け、まもなく1千通になる。「首相に届く前に側近に捨てられているさ」などと揶揄(やゆ)する人もいる中、「それは誰かが読んでいるということ」と全くめげることなく、井上さんはきょうも書き続ける。
井上さんは作家の故・井上ひさしさんの義姉で、夫が経営する建設会社の役員を長年務めてきた。夫が亡くなり、子や孫も次々と独立して一人暮らしになる中で、安保関連法が成立したことや、安倍首相の憲法9条改変への執念に対して危機感を抱き、毎週木曜日、JR釜石駅前で市民団体が主催する「抗議のスタンディング」にも立ち続けてきたが、最近は体調が悪くて休むことも多くなっていた。
安倍首相へのはがきを書き始め…