20日のニューヨーク株式市場は、業績懸念が出ている米アップル株が急落したことなどを受け、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅続落した。終値は前日比551・80ドル(2・21%)安い2万4465・64ドルだった。前日からの下げ幅は一時、648ドルに達した。ダウ平均を構成する30銘柄すべてが値を下げ、年初来でもマイナスに転じた。
ハイテク株が中心のナスダック市場の総合指数も続落。同119・66ポイント(1・70%)低い6908・82で取引を終えた。節目となる7000を切り、7カ月半ぶりの安値となった。
新型iPhone(アイフォーン)の販売不振が相次いで報じられているアップルは4・8%安で、前日に続く大幅下落。この1カ月で20%近く値下がりした。米金融大手ゴールドマン・サックスは、アップルの目標株価を引き下げた。
朝方にディスカウントチェーン大手ターゲットが発表した四半期決算は、既存店売り上げなどが市場の予測を下回った。米消費の先行きに警戒感が強まり、幅広い小売り関連株に失望売りが広がった。
世界経済の減速懸念が強まる中、ニューヨーク商業取引所では原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格も急落。前日比3・77ドル(6・6%)安の1バレル=53・43ドルと、ほぼ1年1カ月ぶりの安値で引けた。これを受け、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー株も大幅下落した。
米国市場の流れを受け、21日の東京株式市場で日経平均株価は続落して取引が始まった。石油や鉄鋼などが売られ、下げ幅は一時、300円を超えた。
午後1時の時点は、前日の終値より116円48銭安い2万1466円64銭。東京証券取引所の第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は13・11ポイント低い1612・56だった。(江渕崇=ニューヨーク、福山亜希)