「男の子だから」「女の子だから」。そう言われてもやもやしたことがある長崎市内の小中学生3人が、ジェンダーをテーマにリポートをまとめ、今夏、全国の舞台で発表した。その過程で、思い込みや偏見という「めがね」は人の行動を制限してしまうことに気づいた。3人は問いかける。無意識のめがね、外してみませんか?
長崎市内の学習塾「真未来塾」に通う中学1年の窄(さこ)健裕さんと長谷川禮(れい)さん、小学4年の斎藤優輝さん。平和な世界の実現のための提言を募るイベント「国際平和のためのひろしまアクティブラーニング」に向けて春から準備をはじめ、8月に発表。169チーム中2位に輝いた。10月に長崎県が主催した人権について考えるイベント「つながるフェスタ」でもプレゼンテーションをした。
4月。身近なことからテーマを決めようと話し合っているうちに、それぞれが学校や家庭で体験したことが話題になった。
体力や体形に差はないのに、男子は荷物運び、女子は縫い物にグループ分けされたことや、女子が着替える間、男子は寒い廊下で長く待たされることなど……。窄さんが「『男は泣いてはいけない』と言われるのは納得いかない」と言えば、長谷川さんや塾の先生は「『女は泣けばいいと思っている』と言われるから泣けない」。じゃあ、誰が泣いていいの? 他の人も同じような経験があるか聞いてみたくなった。
塾や公園などで小中高生140人にアンケートすると、122人が「男/女だから」や「男/女なのに」と言われたことがあると答えた。質問を重ねると、そう言われた時だけでなく、言われた人がその後の行動を制限したり、考え方に影響を与えたりすることも分かった。
大人の世界ではどうなんだろう…