東京医科大から不正に不合格とされた5人の女子受験生が、入学を希望しながら「再不合格」となったことをめぐり、柴山昌彦文部科学相が「仮に公正な試験が実施されても合格できなかった方々」とツイートしたことが波紋を呼んでいる。「大学側を擁護している」と批判が出るなか、柴山氏は11日の会見で「合格判定を適正に行うための熟慮の上の決定。文科省としては、大学の判断を尊重したい」と述べた。
柴山氏は7日の東京医科大の発表を受けて、投稿した。自らの対応を「行政側の責任者なのに、人ごとのような発言」と批判するツイートに返信する形で「彼女たちは仮に公正な試験が実施されても合格できなかった方々で、その救済策はまず大学に検討いただくのが筋だと考えます」と記した。
5人は、東京医科大が2018年度の一般入試を再判定した結果、当初の合格ラインより上の成績だった。しかし、同大が募集定員から、再判定でも合格した「正規合格」の在校生を引いた数を入学の上限としたため、再不合格となった。ただ、より得点が低い「正規合格者」や、得点操作を受けて合格した在校生もおり、ツイッターでは「公正な試験が実施されていれば合格していなかった方が在学しているわけで、その方よりも上位の点数なのに不合格というのは、不合理」といった指摘が出ている。
柴山氏は11日の会見で「その5人は非常に不安定な立場にたたされ、再度の(不合格の)通知を受けたのは、同情するにあまりある」とも語った。(矢島大輔)