阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、毎年1月17日に神戸市の東遊園地で開かれる「1・17のつどい」で、会場に並べる竹灯籠(どうろう)が不足している。灯籠づくりを担ってきたボランティアが高齢化し、来年のつどいでは一部をコップで代用する。
竹灯籠は毎年、「1995 1・17」や公募する文字の形に並べられ、東遊園地にあるガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の火が、遺族らの手で移される。地震が発生した午前5時46分には多くの人が手をあわせる。
行事を担うNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」(HANDS)によると、竹灯籠は各地の市民グループや社会福祉協議会などから提供されてきた。多い時で約1万本あったが最近は年約500本ずつ減り、来年は5千本程度になる見込み。震災からまもなく24年。ボランティアが高齢化し、竹を切り出す負担は重く、確保が年々難しくなっている。
来年は、「1・17」は竹灯籠で描くが、公募の文字はすでに使ってきたペットボトルに加え、新たにプラスチック製のコップも使って描く。行事後に燃料チップなどに変えていた竹灯籠は半分を再利用する。
新たにボランティアを担う若者もいる。14日、同市北区の竹林に神戸学院大学付属中学(中央区)の2年生約70人が入り、灯籠づくりを手伝った。福島憲一教頭は「震災を風化させず、つないでいくことが大切。こうした体験を通じ、何かを感じ取ってもらえたら」と話した。
HANDSの藤本真一代表は「たとえ形が変わっても、集まって語り合えるあの場所をこれから先1年でも長く残していかなければならない」と話す。問い合わせはHANDS事務局(050・3590・0117)へ。(野平悠一)