ホテル暮らしをしながら高校へ――。そんな学校生活を送れる「留学生」を岩手県花巻市が全国から募集している。通学する県立大迫高(同市大迫町)は定員割れの状態が続いており、市が打開策を打ち出した。
募集定員は4人以内。選考で内定し来春の入学試験に合格すると、学校から徒歩3分のホテル「ベルンドルフ」の客室が学生寮として提供される。ホテルは第三セクターが運営。宿泊費を含む受け入れ経費は市が負担しホテルのスタッフと元中学校教員の支援員らが生活全般をサポートする。保護者の負担は1カ月約4万円の食費のみで、毎日3食をホテルで食べられる。
大迫高は旧大迫町地区にある唯一の高校で、定員120人に対し生徒数は現在65人。2016年3月の県立高校の再編計画で、入学希望者が2年続いて定員の半数割れ(20人以下)となった場合、原則募集を停止して他校と統合する方針が示されている。一方、10月に県外からも入学が認められる「特例校」になったため、全国に募集を呼びかけることになった。
募集は21日まで。市は「ユネスコ無形文化遺産の早池峰神楽を学んだりオーストリアの友好都市で研修できたりするチャンスもある」とアピールする。問い合わせは同市大迫総合支所地域振興課(0198・48・2111)へ。(溝口太郎)