フィギュアスケートの全日本選手権第2日は22日、来年3月の世界選手権(さいたま市)の代表最終選考会を兼ねて、男子ショートプログラム(SP)があり、平昌(ピョンチャン)五輪銀メダルで大会3連覇がかかる宇野昌磨(トヨタ自動車)が102・06点で首位に立った。今季現役復帰した32歳の高橋大輔(関大ク)は大きなミスなく滑り、88・52点で2位と好発進した。
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18番滑走の宇野は直前の6分練習で足を痛めるようなそぶりを見せ、ジャンプを跳ばなかったが、演技ではその影響を感じさせなかった。冒頭の4回転フリップを決め、4回転―2回転の2連続トーループも着氷。演技後半のトリプルアクセル(3回転半)も、出来栄え加点を得るなど、技術点は56・81点。演技構成点では5項目中4項目で9点台を並べて、45・25点だった。
宇野は演技後、「完全に集中力だけであのような演技ができたことに、すごくやりきったぞという思いもあったが、フリーに向けて良い演技がしたい」。6分練習のアクシデントについては「この状態を言い訳にしてフリーに臨みたくないので、今は(コメントを)控えたい」と語った。
22番滑走の高橋は冒頭のトリプルアクセルで着氷。フリップ―トーループの2連続3回転は出来栄え加点を得た。演技後半の3回転ルッツも着氷するなど、技術点は43・38点。持ち前のスケーティング技術も健在で、演技構成点は5項目中3項目で9点台を並べて45・14点だった。演技後は笑顔で、多くの観衆が立ち上がって声援を送った。
5年ぶりの全日本となる高橋はSPの演技後、「思った以上に、本番に近付くにつれて緊張感が高まったが、スタートして(トリプル)アクセルを降りた時点で、冷静になれた。これだけのお客さんに拍手をして頂いて、こんなにうれしいことなんだなと実感した」と振り返った。「ジャンプで少し詰まって、100%の演技は見せられなかったが、今季の中で一番、感情を入れられて、滑りとして悪くないプログラムを見せられた」と語った。
ジュニアグランプリ(GP)ファイナル3位で17歳の島田高志郎(木下グループ)はトリプルアクセルジャンプを着氷して80・46点で3位、平昌五輪代表の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)が79・32点で4位。昨季の世界選手権5位の友野一希(同大)は冒頭の4回転サルコーで転倒し、73・09点で7位と出遅れた。NHK杯6位の山本草太(中京大)は71・95点で10位発進だった。
ペアのSPは、平昌五輪代表の須崎海羽、木原龍一組(木下グループ)が59・03点で首位に立った。
主な男子選手の滑走順は次の通り。
宇野18番(午後7時26分ごろ~)▽GPシリーズNHK杯10位佐藤洸彬(ひろあき)(南部美人)19番(同32分ごろから)▽平昌五輪代表の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)20番(同39分ごろから)▽高橋22番(同52分~)▽友野24番(午後8時14分ごろ~)▽GPシリーズNHK杯6位山本草太(中京大)26番(同27分ごろ~)