かわいいウサギの周りに「苦手な音を防いでいます」の文字――。聴覚過敏の人向けにデザインされたマークが、SNSなどを通じてじわりと浸透している。きっかけは、標識などを制作する会社の社長がツイッターで当事者のつぶやきを知ったことだった。
話題になっているのは、苦手な音がある人が身を守るためにつけるイヤーマフ(耳全体を覆う保護具)などを表した「聴覚過敏保護用シンボルマーク」。手がけたのは大阪市北区の「石井マーク」社長、石井達雄さんだ。昨年秋以降、ネットで拡散し続けている。
きっかけは、昨年9月、防音イヤーマフを使用する息子を持つ保護者が、居合わせた人に「音楽を聴かせず会話をしなさい」と言われたとツイッターでつぶやいたこと。「防音イヤーマフへの理解が広まってほしい」と訴えたところ、リツイートは9万7千回以上にのぼった。
これを知った石井社長が「マーク屋」としてグラフィックシンボルづくりに乗り出した。社のツイッターでいくつかのデザインを例示すると、「小学生向けのひらがな版もほしい」などの声が寄せられた。
マークは現在8種類ほど。全てに保護具を装着したウサギが描かれており、その周りには「苦手な音を防いでいます 聴覚過敏保護用」や「このままで聞こえます・話せます 会話できます 聴覚過敏保護用」などの言葉が添えられている。人によって症状にばらつきがあることなどから、文言は複数パターンある。
マークは使用条件を提示した上で、ホームページで無料公開。反響は「予想以上だった」(石井さん)。ツイッターでは、マークを缶バッジやカードホルダーなどに加工した使用例が続々と投稿されている。
石井さんは「誰もが知っているマークとして、多くの人に広まってほしい」と話している。
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