愛知県瀬戸市の深見和博教育長(63)が、市教育委員会が計画していた海外訪問に関する情報公開請求をした市議の名前を別の市議に漏らしたうえ、請求を取り下げるよう働きかけていたことがわかった。深見教育長は「制度の趣旨に反した行為で重く受け止める」として、31日付で辞職する。
市と深見教育長によると、市内の小学生4人と市教委職員が中国・上海を訪れる計画について、文書の公開を求める請求が、11月7日に市議から出された。深見教育長はその日のうちに、請求があったことを別の市議に電話で連絡。12日に3人で面談し、深見教育長が請求の取り下げを要請した。「計画が確定していない微妙な段階だったので、オープンになることに懸念があった。賛同してくれている議員に相談し、仲介をお願いした」と釈明した。
請求した議員が市議会定例会で漏洩(ろうえい)の有無を質問して発覚。市側が関係者から聞き取りを進めていた。上海訪問は12月24~26日に予定されていたが取りやめになり、文書は26日付で開示が決まった。
深見教育長は市立小学校長などを経て2012年4月から現職。(本間久志)