将棋棋士とシンガー・ソングライターが共演する異色のイベントが1月6日、大阪市福島区のABCホールである。タイトルは「西浦達雄と青春をかけた将棋棋士たち~高校球児のカリスマと関西将棋プロ棋士が『青春』を語る~」。偶然が重なり、イベントが誕生したという。
きっかけは今夏、シンガー・ソングライターの西浦達雄さん(64)のコンサートに、将棋の女流棋士二段の村田智穗さん(34)が足を運んだこと。朝日放送の夏の高校野球中継のエンディングテーマ曲を長年担当してきた西浦さんの歌声に、村田女流二段は魅せられた。その思いを自分のブログに書いた。西浦さんが歌で紡ぐ「青春をかける高校球児の姿」は、プロ棋士養成機関「奨励会(しょうれいかい)」で棋士になるために奮戦する青少年の姿と重なった。
ブログを偶然読んだ西浦さんが感想を書き込み、西浦さんと将棋棋士たちとの交流が始まった。村田女流二段が「西浦さんが歌う高校球児を、将棋棋士に置き換える形でイベントができないか」と提案。西浦さんと棋士たちの異色イベントが計画された。
大阪市生まれの西浦さんは「僕が子どものころ、夏の夜になると、みんな、縁側で将棋を指すのが当たり前。みんな、将棋のルールは知っていたものです。僕は今でも、将棋のテレビ番組が好きで、よく見ていました」と振り返る。「村田さんの紹介で将棋の棋士に会わせてもらいましたが、自分の夢に『一途』で『ピュア』なところは高校球児と重なると思いました」
イベントは2部構成からなり、第1部(午後1時~)は日本将棋連盟関西本部(大阪市)に所属する棋士6人によるトークショー。斎藤慎太郎王座(25)、井上慶太九段(54)、名人への挑戦権をトップ棋士10人が争うA級順位戦に所属する糸谷(いとだに)哲郎八段(30)と稲葉陽(あきら)八段(30)、前王位の菅井竜也(たつや)七段(26)、加古川青流戦初代優勝者の船江恒平六段(31)という豪華な顔ぶれだ。
第2部(午後2時~)は西浦さんと棋士の共演。棋士の幼少時代や修業時代、現在の写真がスクリーンに映し出される中、西浦さんが自作曲を歌う。曲と曲との間には、それぞれの曲名にちなんだトークを西浦さんと棋士たちとで繰り広げる。
斎藤王座は「歌手の方とイベントでコラボできるのは私にとっても新鮮で楽しみ」と語る。幼少期から音楽が好きだったという斎藤王座は「奨励会で苦労していたころ、対局前日に音楽を聴いてリラックスしたり、気合を入れたりしていました。いま、棋士としてやっていく中でも、私にとって音楽は大切なものの一つです」と話す。
「棋士の方々も高校球児と同じ、熱い思いがあると実感しました。将棋に詳しくない方々にも知っていただくきっかけになれば、私もうれしいです」と西浦さん。村田女流二段は「今回の棋士の顔ぶれで、話が面白くないわけがありません。ぜひ、会場にお運びください」と話す。
第1部+第2部で計8千円、第2部のみでは5千円。いずれもパンフレット付き。第1部+第2部の場合のみ、出演棋士6人が揮毫(きごう)した記念扇子が特典として付く。
イベント終了後に西浦さんのCD販売とサイン会や、出演棋士による直筆扇子サイン会(別途有料)もある。
申し込みは、
https://passmarket.yahoo.co.jp/
からクレジットカードかコンビニ支払いで。問い合わせは電子メール(nishiura.shogi@gmail.com)へ。(佐藤圭司)