充実の大劇場公演から、宙(そら)組20周年、チケット難まで。宝塚歌劇団の担当記者2人が2018年を振り返ります。
尾崎千裕 今年の幕開けは花組「ポーの一族」でした。少女漫画の傑作を完璧ともいえる再現度でみせた。緻密(ちみつ)に構築された世界観も素晴らしかった。
杢田光 その次の月組はショー「BADDY」が話題になった。
尾崎 初日の通し稽古を見た時の衝撃といったら。珠城(たまき)りょうが宇宙服姿で登場、サングラスを投げ、たばこをふかし……。賛否は分かれたけれど、時にはこういうのもなくっちゃ。間違いなく記憶にも、宝塚史にも残る。年末の「タカラヅカスペシャル」でも、「キターーー!」という客席の盛り上がりはすごかった。
杢田 春に担当になって初めて見たのが、星組「アナザー ワールド」。宝塚といえば「ベルばら」のイメージだったので、落語ミュージカルに度肝を抜かれた。紅(くれない)ゆずるのコメディエンヌぶりに何度も爆笑した。紅率いる星組は秋の台湾公演も成功させた。
尾崎 ここまで挙げた3作だけ…