脊髄(せきずい)損傷の患者自身の幹細胞を使った初の細胞製剤(再生医療製品)が28日、厚生労働相から、7年間の条件付きで製造販売の承認を受けた。製剤を共同開発した札幌医科大(札幌市)の本望修(ほんもうおさむ)教授らと医療機器大手ニプロ(大阪市)が同日会見し、早ければ来年度から、この製剤を使って同大で治療を始めることを明らかにした。
承認された製剤は「ステミラック注」。会見によると、患者から採取した骨髄液から間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)を取り出し、培養して細胞製剤にしたうえで、点滴で体に入れる。細胞が脊髄の損傷部に自然に集まり神経の働きの回復を促すという。
年度内にも薬価が決まる見通しで、製品として販売できるようになるが、製品の供給体制が限られるため、当面は同大でのみ、損傷から数週間の患者を対象に治療を行う。年間100例ほどを見込んでいるという。慢性期の患者への治験も近く始める。
これまでに実施した治験では、…