明治の文豪、夏目漱石(1867~1916)や俳人の正岡子規(1867~1902)らが、第一高等中学校(のちの旧制一高、現在の東京大学教養学部)に在学していた当時の成績を記した手帳が、福井県越前市出身の教育者が残していた資料群からみつかった。福井県が7日発表した。漱石の論理学の成績は80点と90点とされ、専門家は、若き日の漱石が勉学に励んでいた姿をうかがえる資料として注目する。
県によると、手帳(縦約20センチ、横約10センチ)の持ち主は第一高等中学校の教諭だった松本源太郎(1859~1925)。手帳2冊には1887(明治20)年~89年、松本が同校で教えていた生徒の名前や、論理学の学期ごとの成績とみられる数字二つが並んでいた。
このうちの1冊に漱石の本名である「夏目金之助」の名前があり、80と90の点数がつけられていた。同級生の中で上位だったとみられる。一方、同学年だった子規は74点と82点、のちに国文学者となる福井出身の芳賀矢一(はがやいち)は82点と72点。
手帳は東京在住の松本の子孫か…