埼玉県三郷市の建設会社相談役、白川好光さんが、72歳で昨春、定時制高校を卒業した。学校での生徒との交流などを下敷きにした人生論「人生の教科書」を自費出版し、埼玉県内の高校に210冊、故郷の秋田県にも100冊を寄付した。
現在の秋田県北秋田市出身。生まれて間もなく養子に出された。脊椎(せきつい)カリエスを患って背骨が曲がり、小中学校ではいじめられた。「勉強嫌いでひねくれた子どもだった」。中学卒業後、大工に弟子入りし、20歳で上京した。
23歳の時、故郷で育ての親のために自力で家を新築したことが自信になった。「家を見ようと押しかけてきた地元の青年に、積極的に話しかけて笑わせることができた。性格が180度変わった」という転機だ。
24歳で独立し、工務店と不動産会社を経営。学校をドロップアウトした若者を積極的に雇い、一人前に育てて独立させてきた。教育や経営をテーマに各地で講演し、2005年には初めて人生論の著書を自費出版している。
そんな白川さんが「学問をやり…