心動かされたい。でも、予測できないものには手を出したくない――。そんな空気が今、エンタメ・カルチャーを等しく取り巻いているように見える。
歯止め利く「感動」が商品化、栄養剤に近い 椹木野衣
あなたのココロに、5分間のきらめきを――。そんなコピーと共に一昨年、河出書房新社と小説投稿サイト・エブリスタは、青少年向け短編小説集シリーズを立ちあげた。タイトルは「5分」×「心の状態」が基本で、例えば『5分後に感動のラスト』。サイト主催の短編賞の入賞作から「涙」「切ない」といったテーマにはまる作品を選び、編集している。これまでに番外編を含むシリーズ13冊、累計45万部のヒットとなった。
「スマホやゲーム、子どもたち…