大阪スパイスカレー。誰が最初に言い始めたのかわからないが、ここ数年大阪を中心に爆発的なブームを巻き起こしている。見た目も味も、従来のカレーライスとはまったく違う。多様なスパイスが体をほてらせ、脳を刺激し、なぜかどんどんスプーンが進む。 特集:カレー大好き! 「左手にシシトウ、右手にスプーン。スイカに塩的な対比効果で、シシトウの苦みを感じてからカレーをどうぞ。グレープフルーツジュースで舌をリセットして、最後までスパイスの香りを楽しんでください」 大阪市内で4店舗を展開する「Columbia(コロンビア)8」の北浜本店(中央区)。代表のオギミ~ル☆さんこと荻野善弘さん(40)は、初めての客には必ず丁寧に食べ方を説明する。 キーマカレーはスパイスと炊いた麦飯にバジルなどを振りかけ、30種類以上のスパイスを使ったカレーソースを注ぐ。後で加えた塩漬けインゲンやレーズンをかむ度に、味が変化する。 独創的で計算され尽くした味が食べた人を驚かせ、客がまた客を呼んだ。オフィス街にありながら、平日の昼時も、ビジネスマン以外の客も含め混み合う。2018年版ミシュランガイドでビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)の店として紹介された。 兵庫県の会社員だった20代前半、荻野さんは大阪であるカレーに出合った。「自分にしか作れないものを作る職人になりたかった。それがカレーだと確信した」 6年間、イタリアンや和食など飲食店で働いて料理の基本を学び、調理師の資格を取得。08年5月に1号店をオープンさせた。「スパイスカレーってカテゴライズされるのは微妙な気持ちですけど、カレーというポピュラーな食べ物をこの人が作るとこうなるのか、と驚かせてくれる。アートですよね」 ダシや具材 組み合わせは自由 大阪スパイスカレーとは何なのか。カレー好きが高じて、ターメリックの歯周病菌に及ぼす抑制効果を研究している歯科医の泉井秀介さん(41)=大阪市=によると、「カレー粉やルーを使わずスパイスだけで作るのがいわゆるスパイスカレー。そこに作り手たちの創意工夫で、ダシや具材を自由に組み合わせたのが、大阪スパイスカレーと言われています」と説明する。 泉井さんによると、うどんに七味をかけ、お好み焼きやたこ焼きにスパイスたっぷりのソースを使う関西人は「昔からスパイスのエリート教育を受けてきた」という。更に枠にとらわれない感性が相まって、「大阪で独創的なカレー文化が花開いたのでは」とみる。 ■書店の一角を間借り… |
大阪スパイスカレー 「エリート教育」で花開いたアート
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