2020年東京五輪・パラリンピックの招致に絡み、フランス当局の調べを受けている日本オリンピック委員会(JOC)トップの竹田恒和会長(71)が15日、記者会見し、みずから不正を否定した。質疑応答に応じなかったため、記者会見は7分で終了。一方的に正当性を主張する場に終始した。
JOC竹田会長、7分で会見打ち切り 質問受け付けず
記者会見場の岸記念体育会館(東京都渋谷区)には、海外メディアを含む記者約100人が詰めかけ、テレビカメラが約30台並んだ。フラッシュが激しくたかれるなか、竹田会長が口を開いた。
「この騒動で五輪・パラリンピックの準備に携わる人たちへ影響を与えかねない状況になり、本当に申し訳ない気持ちです」「フランス当局の調査に全面的に協力し、潔白を証明したい」
記者会見は、竹田会長が手元のメモを読み上げる形で進んだ。「通常の手続き」という言葉を複数回使い、問題になったシンガポールのコンサルティング会社への支出の正当性を訴えた。
JOC側はあらかじめ、JOCの調査チームが3年前に日本の法律や仏刑法、国際オリンピック委員会の倫理規定に違反しないと結論づけた報告書を報道陣に配布。一方で、「フランス当局が調査中の案件のため」との理由で質疑を受け付けなかったため、報道陣はJOC側に抗議した。
ブラジルのテレビ局「グローボ」の記者カルロス・ジル記者(42)は、JOCが質疑応答を拒んだ点について、「無実を訴えるなら、説明責任を果たすべきではないか」と疑問を投げかけた。そのうえで、「16年リオデジャネイロ五輪の組織委員会の会長も逮捕された。開催地選定にあたっては、より透明性を高めるべきだ」と話した。