JR東海は25日、開発中の新型新幹線「N700S」について、東京五輪・パラリンピック開催直前にあたる2020年7月初旬に東海道新幹線にデビューさせると発表した。現在、走行実験を続ける試験車と比べ、営業用の量産車はさらに防犯対策を強化する。
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N700Sは東海道新幹線にとって13年ぶりのフルモデルチェンジ。現行の主力車両「N700A」より消費電力を6%減らした。リチウムイオン電池を搭載し、地震で停電した場合でも安全な場所まで自走できる。全席のひじ掛け部分にはコンセントを備える。
また、昨年「のぞみ」車内で起きた乗客殺傷事件などを受け、客室内のセキュリティーを強化。新たに天井にも防犯カメラを設け、1編成あたりの設置台数をN700Aの1・6倍にあたる165台に増やした。また、ドア付近に設けた通話装置で車掌や指令係員と通話できるようにした。
まずは5編成を投入し、22年度末には全約130編成の3割がN700Sに置き換わる予定だ。(細沢礼輝)