米ニューヨーク・マンハッタンの目抜き通り「五番街」にある二つの老舗百貨店が1月に相次いで店を閉じた。ともに100年以上の歴史を誇る「ヘンリ・ベンデル」と「ロード&テイラー」。ネット販売の急成長や消費者の好みの変化で、米国の小売業は高級店も苦戦を強いられている。
ヘンリ・ベンデルは1895年創業。若い女性向けのアクセサリーやバッグを主に扱い、茶色と白の縦じま模様のデザインで知られる。「ゴシップガール」などのドラマ・映画にたびたび登場し、五番街にある旗艦店は日本人観光客もよく訪れた。日本国内でもしま模様のポーチなどが人気だった。
しかし、最近は業績悪化が止まらず、2018年は売上高8500万ドル(約93億円)に対し、営業赤字が4500万ドルにのぼる見込み。全23店舗と通販サイトが1月中に閉鎖されることになり、五番街の店も当初予定の19日より前に営業を終えた。
女性向けの人気下着ブランド「ビクトリアズ・シークレット」も抱える親会社の米エル・ブランズは、「収益性を改善し、より成長が見込めるビジネスに集中するため」と説明する。
そこから五番街を1キロ余り南下したところにある高級百貨店ロード&テイラー(1826年創業)の旗艦店も、客足をつなぎとめられず、年末商戦を終えた1月2日に閉店した。一帯のランドマークとして知られる壮麗な建物は、シェアオフィスで急成長する米WeWork(ウィワーク)が買い取った。
米小売業界はアマゾンなどネッ…