KDDIがネット証券大手のカブドットコム証券への出資を検討していることがわかった。カブドットコムは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下だが、KDDIが発行済み株式の半数程度を取得する方向で調整している。取得額は1千億円規模となる見込み。国内の携帯電話市場が頭打ちのなかで金融事業を強化する狙いだ。
現在はカブドットコム株の約59%をMUFGが子会社を通じて保有する。関係者によると、KDDIはMUFGとの間で出資比率などの調整を続けているという。カブドットコムは約110万の証券口座を持ち、ネット証券では業界5位。
国内の携帯電話事業は飽和状態で、KDDIはスマートフォンを通じ商品やサービスを売ることに力を入れる。重点分野の一つが金融で、三菱UFJ銀行と共同出資のネット銀行「じぶん銀行」や、あいおいニッセイ同和損害保険と共同出資のネット損保があるほか、ネット生保のライフネット生命保険の筆頭株主でもある。(大和田武士、生田大介)