東京都世田谷区と中野区が今春から、全区立中学校で女子生徒もスラックスの制服(標準服)を選べるようにする。子どもの希望を尊重するため、同様の措置を個別に採り入れた学校は増えているが、大手制服メーカーによると、自治体全体で採用する例は少ないという。
世田谷、中野両区とも、区立中の制服の取り扱いは校長が決めている。世田谷区教育委員会によると、女子の制服をスカートとする学校と、スラックスも選べる学校の両方があった。今春からは区全体でこれを変え、入学前の児童に配る制服のカタログにも「男子用」「女子用」と明記しないようにする。
昨年、区議会で見直しを求める意見があり、区教委が検討。動きやすさからスラックスを好む女子生徒や性的少数者への配慮から、「生徒の気持ちに幅広く寄り添えるように」と区全体での取り組みを決めた。準備ができた学校から順次導入するという。
中野区では、運動好きな小学6年の女子児童が「ズボンをはいて中学に通いたい」と酒井直人区長に要望。それを契機に区教委が検討し、すでに採り入れている5校以外でも今春から順次、女子にもスラックスを導入することにした。
女子用スラックスは、福岡市教…