楽天は30日、ネット通販サイト「楽天市場」の配送料について、年内をめどに一定額以上購入すれば無料にする統一的な仕組みを導入する方針を明らかにした。三木谷浩史会長兼社長が出店者向けのイベントで発表した。これまでばらばらだった送料の体系を統一して利用しやすくし、ライバルのアマゾンジャパンに対抗する。
楽天市場の配送料は出店する店舗側がそれぞれに設定してきた。三木谷氏は「楽天の最大の弱点は配送やサイトの統一性がないこと。これを克服すれば2、3割の成長ができる」と述べ、年内をめどに送料の体系を見直す考えを示した。
一般的な大きさで常温の配送が可能なものが対象で、大型の家具や冷蔵庫などは除く。無料になる最低購入額の設定や店舗側の負担などについては今後検討するという。ライバルのアマゾンジャパンは、自社から発送するものは基本的に2千円以上で通常配送が無料になる。
楽天は「かなりの資金を投入する準備がある」(三木谷氏)としているが、店舗側の負担の重さによっては反発を招く可能性もある。楽天には現在、約4万6千店が出店している。(宮地ゆう)