キノコの研究にいそしむ高校生たちの部活、通称「キノコ部」が神戸にあると聞きつけた。部員らによる展示会が開かれているというので会場を訪れると、想像を超えるキノコの奥深い世界が広がっていた。
兵庫県立御影高校(神戸市東灘区)環境科学部生物班。キノコ部の正式名称だ。現在の部員は1、2年生の10人。記者は1月中旬、神戸市東灘区の商業施設「御影クラッセ」で開かれていた「六甲山のキノコ展」を見せてもらった。食用のキノコから毒キノコまで、色とりどりの標本約600種類が展示されていた。
活動の出発点は、環境科学部の顧問を務める河合祐介・主幹教諭(57)が2007年、「自然の恵み」と題して開いていた2年生向け総合学習。六甲山にわけ入ってキノコ採集などにあたる体験型の授業が生徒たちの人気を博し、同部生物班の活動に引き継がれた。
研究発表にも力
観察・採集時期は例年3~11月。県内の愛好家らでつくる「兵庫きのこ研究会」の会員らとともに六甲山の再度(ふたたび)公園周辺を歩く。2年で部長の野中涼夏さん(17)は「しんどいけど、帰ってきたあとは『今日こんなんあったなぁ』って盛り上がります」。スマホには山歩きの途中で撮ったキノコの写真がいっぱいだ。
保存作業は楽ではない。キノコにはタグをつけ、学校で冷凍。業者にフリーズドライ加工をしてもらった後、湿気を防ぐため表面に樹脂を塗り、プラスチックケースに入れて保存する。
ハプニングもつきものだ。昨年…