さいたま市の女性(78)が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句を、市が公民館だよりに掲載しなかったのは違法とする判決が昨年12月に確定したことを受け、市は2月1日発行の公民館だよりに俳句を掲載することにした。
九条俳句、さいたま市が一転掲載へ「司法の判断従った」
句は、2014年6月に女性が参加する俳句会で秀句に選ばれた。秀句は従来、翌月号の公民館だよりに載せられてきたが、公民館側が掲載を拒んだ。女性は「この句はあっちこっちで飛び回ってましたが、たよりに載るのが正式な発表の場。4年半ぶりに正式なルートで発表でき、本当に良かったです」と喜んだ。
市の細田真由美教育長は31日、俳句会の活動拠点となっている公民館で女性に直接謝罪。人格的利益を侵害したとの判決を踏まえ「長きにわたり心の休まらない日を過ごされたことに、心からおわび申し上げる」と頭を下げた。女性は「最高裁の決定後、速やかな決断にほっとした」と応じたうえで「(市民の)自由に学びたいという気持ちを今後も保障してほしい」と求めた。(森治文、笠原真)