東京電力福島第一原発事故の影響で健康ランドの売り上げが落ちたとうそをつき、東電から賠償金をだまし取ったとして、福島県警は31日、韓国籍の会社役員金孝尚容疑者(61)=郡山市桑野5丁目=と、住居不定、無職村田博志容疑者(60)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。
県警によると、2人は2012年2月下旬ごろ、金容疑者が経営していた郡山市の「東洋健康センター」に原発事故が原因で営業損害が出たと虚偽の内容で賠償金を請求し、東電から約2億3800万円をだまし取った疑いがある。健康ランドの震災前の売り上げを水増しした書類を作り、事故後に売り上げが落ちたように装っていたという。2人は12~15年に同じ手口で賠償金を請求、今回の容疑を含めて約7億円を受け取っているといい、県警が調べている。健康センターは17年1月に閉館した。
村田容疑者はNPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」=解散=の元メンバー。東電から賠償金をだまし取ったとする別事件で有罪判決が確定している。
東電から18年1月、「県内の複数の企業が不正請求をした疑いがある」と情報提供があり、県警が他の会社についても調べている。