バーレーンで迫害されたとしてオーストラリアに逃れ、難民認定されたサッカー選手の男性がタイで拘束されている。送還を求めるバーレーンに対し、国際サッカー連盟(FIFA)や豪州は解放を要請。送還を懸念する声が広がるなか、タイ側は裁判所が対応を検討している。
拘束されているのはバーレーン出身のハキム・アライビ氏(25)。国際人権団体によると、2012年に家族の政治活動を理由に逮捕され、拷問を受けた。さらに、警察施設を破壊したとして14年に禁錮10年の判決を受け、豪州に脱出。本人は罪状を否認している。
昨年11月に旅行でタイを訪れた際、国際刑事警察機構(ICPO)を通じたバーレーン政府の国際手配の記録が残っており、拘束されたという。
これに対し、FIFAの事務局長が1月下旬、難民認定者に起きてはならない事態だとし、アライビ氏が豪州に安全に戻るために必要な措置をとるよう、タイのプラユット暫定首相に要請。豪政府もタイ政府に解放を求めている。
タイでは先月、入国書類の不備などを理由に拘束されたサウジアラビア人の女性が、家族による虐待を訴えてカナダへの亡命を認められる出来事があった。(バンコク=貝瀬秋彦)