九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故に備えて2日に行われた佐賀県の原子力防災訓練で内閣府とテレビ電話がつながらなかったトラブルについて、県は4日、内閣府が事前に計画されていた庁舎の停電を確認していないミスが原因だったと明らかにした。4日午後に内閣府の山本哲也政策統括官(原子力防災担当)から副島良彦副知事に謝罪の連絡があったという。
トラブルがあったのは、佐賀県知事や玄海町長、内閣府などが参加する情報伝達の訓練。内閣府は避難や安定ヨウ素剤服用などを指示する立場だったが、直前に内閣府の庁舎の停電でテレビ会議がつながらないと判明。唐津市のオフサイトセンターにいた原子力規制庁職員が急きょ代行した。
県によると、山本統括官は「停電は数カ月前から計画されていた。確認できていなかった事務方のミス。大変ご迷惑をおかけした」と謝罪したという。県消防防災課の宮原浩二課長は「県などが主催する訓練への国の参加のあり方に疑問を感じた。もっと当事者意識を持ってほしい」と話した。(黒田健朗)