瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と瀬戸内各地の魅力を紹介し、西日本豪雨の被災地を応援する「瀬戸リスト」。第6回は谷口茉妃菜(まひな)さん(19)と森香穂さん(21)が、備前長船刀剣博物館(瀬戸内市)を訪れ、自分で「刃文」を付けた小刀を作った。
「センス問われるね」 森香穂さん、炎のアート真剣勝負
これまでの瀬戸リスト
刃文とは刃に表れる直線やぎざぎざなどの文様。硬度を高める「焼き入れ」作業の際にできる。
刀匠の安藤祐介さん(39)から実技指導を受けながら、2人は万力で固定した刃の上にそれぞれ砥石(といし)や炭の粉などが混ざった安藤さん秘伝の土を載せた。刃文は、秘伝の土を置くことで浮かび上がる仕組みだ。
そして、いよいよ焼き入れだ。2人は鍛刀場に移動。赤く燃える炭火が入った炉がある。安藤さんに「風を起こす道具を使ってみますか」と言われ、ふいごに挑戦する森さん。箱の中のピストンを押したり引いたりして、風を送る。最初は「火、飛んできませんか」とちょっと心配そうだったが、押したり引いたりしているうちに、舞い上がる火の粉を見て「わー、楽しい」と大喜び。
うちわであおぐ谷口さんは「上からとか下からとかありますか」と真剣な口ぶり。安藤さんに「真上から」と指導され、思い切りうちわを振っていた。「筋肉痛になる」と冗談っぽく言っていた谷口さんだが、真っ暗な中で燃える炭火を見て「幻みたい」とぽつり。森さんも「きれいだね」。
次に、燃える炭火の中に小刀を入れる。小刀は熱されて真っ赤に。安藤さんの合図で水の中へ入れると、「ジュッ」と音がした。
安藤さんが研いでくれた名前入りの「マイ小刀」を手にした2人。森さんの刃文はシンプル。一方、大きく波打つ大胆な刃文の谷口さんは「ワイルドだろー」と得意げだ。
小刀作りは中学生以上なら体験できる。材料費1口1万円(4月1日からは1万5千円)、受講料1回2千円。2~4回程度で「マイ小刀」が完成する。
2人は常にファンや周囲の人に気遣いをしているのだろう。控室として借りていた部屋の近くに置かれていた黒板にはこう書かれていた。
「ありがとうございました! STU48 森・谷口」(菅野みゆき)