ガラス瓶の中に入った動物や乗り物の手作り模型。京都府木津川市加茂町の1級建築士、木戸明さん(69)はこの1年半、ボトルアート作りに熱中している。わずか2センチ足らずの口からどうやって部品を入れ、組み立てるかを考えるのが楽しい。何よりもうれしいのは、「どうやって作るの?」と驚く大人や子どもの笑顔を見る時だ。
木戸さんは大手住宅メーカーで設計を担当していた。10年前に定年退職。2015年、大阪府枚方市から木津川市に引っ越してきた。
17年6月ごろ、立ち寄ったホームセンターで洗車用のスポンジが目にとまった。使わない時は高野豆腐のような硬さ。カッターナイフでいろんな形に削れる。その後、水をふくませて軟らかくすれば、狭いところでも押し込める――。ボトルアートの制作を思い立ったきっかけだ。
設計が専門である上、もともとの趣味は日曜大工。アイデアは次々とわく。瓶の中に模型をすえるための土台は紙粘土にした。
最初に作ったのはアザラシの親子だった。図録を参考にスポンジを削って形を整え、アクリル絵の具で色づけ。水を吸わせて瓶に入れて、完全に乾くのを待つ。色落ちもなく、アザラシの形に戻った。
作品を増やしていき、同年9月…