昨年7月の西日本豪雨で被災した世帯に岡山県がアンケートしたところ、「大雨特別警報」の発表を認識した後、避難しなかったと答えた人が約33%に上った。「避難指示(緊急)」の発表後も約20%が避難しなかった。県が12日に開いた災害検証委員会で明らかにした。
アンケートは豪雨時に小田川とその支流の氾濫(はんらん)で51人が死亡した倉敷市真備(まび)町地区を中心に、総社市、高梁市、矢掛町で被災した6644世帯に郵送。3765世帯(56・7%)から有効回答があった。
避難を促す情報が出された後、避難行動を取らなかった人が3割前後いた一方で、大雨特別警報の発表後、避難所や近隣の安全と思われる建物、自宅の上階に避難した人は約46%いた。避難指示の発表後は約56%が避難行動に移っていた。
豪雨前の危機意識も尋ねた。「水害によって避難しなければならない事態になると思っていたか」との問いには、約62%が「被害を受けるような水害はたぶん起きないだろう」と回答。約16%が「被害を受けることを災害発生前に知らなかった」と答えた。
浸水想定区域や避難先を記したハザードマップは「見たことはあるが内容まで覚えていなかった」が最多の約36%。「知っていたが見たことはなかった」は約17%、「見て内容も覚えていた」は約23%だった。
豪雨前に防災訓練に参加した経験を聞くと、約44%が「参加したことがなかった」、34%が「防災訓練を行っていること自体を知らなかった」と答えた。
被災者の心身の状態も質問。昨…