傷んだ1万円札の束がどっさり届き、数えてみると1億円程度――。愛媛県知事宛てに段ボール箱に入った札束が届き、県が14日発表した。送り主の住所、氏名などは「架空」で、県は寄付として受け取ったうえで西日本豪雨の復旧に役立てることを検討している。
県によると、1月29日、「愛媛県知事」宛てに段ボール箱が届き、中に現金が入っていた。同封の手紙には「何かの役に立ててほしい」という趣旨の内容が書かれていたという。紙幣には偽造防止用のホログラムがないことから、2004年以前の発行とみられる。
伝票には送り主の氏名、住所、電話番号が記載されていたが、手紙にはそれらは架空だという趣旨も書かれていたという。県は警察や弁護士に相談し、寄付者不詳の寄付金として収納することにした。
県は今後、紙幣の真贋(しんがん)の確認や交換などを日本銀行に依頼する予定。寄付された紙幣のうちどれだけが交換できるかは不明だが、交換できた分は西日本豪雨の復旧事業などへの活用を検討するという。中村時広知事は14日、「心からお礼を申し上げたい」と述べた。(大川洋輔)