国際社会によるイラン包囲網の結成をめざし、米国が主導する国際閣僚級会議が14日、ポーランドの首都ワルシャワで開かれ、欧州や中東など約60カ国の代表が参加した。だが、トランプ米大統領が離脱したイラン核合意をめぐり、維持を訴える欧州主要国のドイツとフランスは閣僚の派遣を見送った。イランを敵視する米国と、国際秩序に包摂したい欧州の隔たりが浮き彫りになった。
憧れつつ「米国に死を」叫ぶ イランの複雑な対米感情
「米国の陰謀許してはならない」 イラン大統領が訴え
会議には、米国からポンペオ国務長官、ペンス副大統領、クシュナー大統領上級顧問らが参加。ポンペオ氏は会議冒頭、「いかなる国も中東の問題を傍観できない」と結束を訴えた。
ポンペオ氏は1月、会議の開催を発表した際、「イランの振る舞いを改めさせることを議論する」と説明。これに対し、欧州諸国は反イラン色が強まると懸念を表明し、米政府高官が「反イラン会議ではない」と釈明した経緯がある。米側はその後、シリアやイエメンの内戦、イスラエルとパレスチナの中東和平問題などに議題を拡大させるとして修正を図った。
だが、ポンペオ氏は開幕直前、米メディアのインタビューで「会合は中東の平和と安定についてだが、イランの脅威を抜きには語れない」と述べ、改めて「反イラン」を強調。懸念を払拭(ふっしょく)できない仏独は外相、欧州連合(EU)はモゲリーニ外交安全保障上級代表の派遣を見送った。英国はハント外相を参加させたが、「イエメン内戦の対応に焦点をあてる」とし、反イランとは距離を置いている。
トランプ政権は昨年5月、イラ…