小学生の頃、毎日楽しみだった「給食」の時間。その味と空間を再現したカフェが、長野市に昨年、オープンした。メニューは日替わりで、1日1種類のみ。お盆に載って出てくるのは揚げパン、ソフト麺、瓶入りの牛乳など、懐かしいものばかりだ。
「給食カフェ HUNGRY」を経営するのは、長野県木島平村学校給食センターで調理師として9年間働いた経験のある平野めぐみさん(42)。かねて「自分で店を開きたい」という思いがあり、自宅に遊びに来た息子の友達の「もう一度、給食が食べたいなあ」とのつぶやきを聞き、思いついた。今まで生協の配達など幾つも仕事をしてきたが、「一番やりがいと責任感のある楽しい仕事が、給食だった」。昨年7月、長野市の権堂エリアに店をオープンした。
出すのはポークカレーや鶏そぼろ、ジャガイモのうま煮、けんちん汁など、給食センターの調理師時代に手がけたメニュー。人気の高い揚げパンやソフト麺は、その日の献立になくても、お金を払えば普通の「ごはん」などと交換できる。
食材の野菜の大半は、木島平村にある実家の菜園などで採れたものを使い、月に1回は、人気メニューを集めた「お楽しみ給食」も用意。「自分の給食にはこんなものもあった」と客からリクエストを受け、献立のレパートリーに加えたものもあるという。
今月中旬の昼過ぎ。店のドアを…