今月8日に83歳で亡くなった、作家で経済評論家の堺屋太一さんの告別式が17日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。菅義偉官房長官や橋下徹・前大阪市長、政財界関係者ら約1千人が参列。官僚として1970年の大阪万博を成功に導いた一方、流行語にもなった小説「団塊の世代」なども残した多芸な作家をしのび、冥福を祈った。
明治74年目に戦争突入、平成は 堺屋太一さんの大局観
「万博男」が変えた大阪 勤勉象徴するロボットを上海に
弔辞では、堺屋さんの自宅を設計するなど40年来の親交があった建築家の安藤忠雄さんが、昨年の夏に堺屋さんから、2025年の大阪・関西万博に向けて多くのアイデアがあると聞いていたことを明かした。「大きな夢を描け、とおっしゃっていた。日本を挙げて21世紀を代表する博覧会にします。天国から『やっているな』と言われるように頑張りたい」と語った。
また「団塊の世代」「平成三十年」など、社会のあり方に警鐘を鳴らした作品を挙げて「私たちはもう一度、堺屋先生の本を読み直し、考え直さないと、これからの日本はだめなんじゃないかと思う」と述べた。
橋下前大阪市長は、「2025年の万博で、先生にテープカットに立ってもらいたかった。いま一致団結して動き出しているのは、先生の情熱のたまものです。1970年の大阪万博を超えようと一生懸命、張り切っています。少し体をお休みになられて、25年には一緒に走り回りましょう」と涙を浮かべながら話した。(宮田裕介)