柴山昌彦文部科学相は19日の会見で、携帯電話やスマートフォンについて「小中学校は持ち込みを原則禁止」「高校は校内での使用を禁止」という指針を見直す方針を明らかにした。大阪府が18日に公表した、災害時の対応などを考慮して持ち込みを認める案についての考えを聞かれ、答えた。文科省は教職員や保護者の意見を聴き、来年度中にも新たな指針をつくる。
文科省は2009年に指針を出していた。柴山氏は「大阪府の動向を注視しつつ、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化を踏まえて、見直しの検討を進めたい」と述べた。見直されたとしても、持ち込みを認めるかどうかは、各教育委員会や学校が判断することになる。
同省の08年調査によると、公立小中学校の9割以上が持ち込みを「原則禁止」としていた。高校で持ち込みを禁じていたのは約2割だったが、大半が校内や授業中の使用を禁止していた。一方、子どもによる携帯電話やスマホの保有率が上がり、災害時の対応などへの懸念も出ていたため、従来の指針が「時代に合わなくなっていた」(文科省幹部)との声があった。
大阪府では昨年6月の大阪北部地震で、保護者から「子どもと連絡が取れずに困った」といった声が出た。このため、府の新ガイドライン案では校内への持ち込みを認めたうえで、緊急時にだけ使用を認める内容となっている。(矢島大輔)