大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が2011年に自殺したのは、当時の同級生からのいじめが原因だとして、男子生徒の両親が元同級生3人らに約3800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、大津地裁であった。西岡繁靖裁判長は元同級生2人に計約3758万円の支払いを命じた。
男子生徒は11年10月に自殺し、両親が12年2月に元同級生3人とその保護者、市に損害賠償を求めて提訴した。市の第三者調査委員会が「(元同級生3人のうち2人の)いじめが自殺の直接的要因」とする報告書をまとめたことを受け、市は15年3月に責任を認めて両親と和解。両親と元同級生側の訴訟が続いていた。
裁判で両親側は、男子生徒が元同級生からヘッドロックされたり、蜂を食べさせられたりするなど「苛烈(かれつ)かつ執拗(しつよう)ないじめ」を受け続け、それを苦に自殺したと主張。これに対し、元同級生側は一部の行為をしたことを認めたが、いじめではなく「遊び」の範囲内と反論していた。
男子生徒が自殺した問題をきっかけに、自殺や不登校などの深刻な結果を招いた疑いがある場合を重大事態として組織を設けて調べることなどを義務づけた「いじめ防止対策推進法」が13年につくられ、施行された。滋賀県警は元同級生3人中2人を暴行容疑などで書類送検し、1人を児童相談所に送致。大津家裁が14年3月、2人を保護観察処分に、1人を処分しないと決定していた。(石川友恵)