三重県鈴鹿市が生活保護受給申請者の顔写真を撮影していた問題で、同市が申請者のほか、配偶者や子どもの顔写真も撮影していたことを、20日に開いた記者会見で明らかにした。当面は顔写真の撮影を取りやめる方針という。
生活保護申請時に撮影 「不正受給を前提」の対応か?
市によると、生活保護受給者979人(1日現在)のうち511人分について、申請者本人や配偶者、18歳以上の子どもの顔写真を撮っていたという。生活状況を審査するため、市職員が申請者の家庭を訪問した際などに撮影していた。顔写真つきの身分証明書を持たない場合に限り、同意を得た上で行ったという。
市は「写真撮影が生活保護の支給決定に影響するのではないかと疑念を抱かせる恐れもあり、配慮すべきだった」としている。
市によると、撮影は2009年12月ごろから始め、窓口で生活保護費を現金で受け取るときの本人確認用だった。家族で生活保護を現金で受給している場合、保護費は市の窓口で世帯主が受け取るのが原則だが、顔写真付きの身分証明書や市が撮影した写真があれば、配偶者や18歳以上の子どもも受けとることができるという。
市は「世帯主が来られない緊急時にも現金支給できるように、世帯員も撮影していた」と説明している。(三浦惇平)