花組の個性豊かなスターが咲き乱れている。宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で上演中の祝祭喜歌劇「CASANOVA(カサノヴァ)」は、ポップでとびきり楽しい新作ミュージカル。仏作曲家ドーヴ・アチアの多彩な楽曲にのせ、水上都市ベネチアで恋と冒険が繰り広げられる。
18世紀に生きた希代の色男・カサノヴァをモデルにした物語。トップスター明日海(あすみ)りおは冒頭、手錠をつけた姿で現れる。数々の女性を誘惑した罪で投獄されたのだが、仲間とともに脱走。ドタバタの逃亡劇の最中、運命的な恋に落ちる。
スピーディーな展開で、あっという間の2時間半。活気あるカーニバル、剝製(はくせい)の動物がいる怪しげな実験室――。華やかな舞台装置や衣装にも目が奪われる。
ミュージカル「1789」や「太陽王」などで知られるアチアが、全曲を書き下ろした。明日海やトップ娘役の仙名彩世(せんなあやせ)らは、アチアの提案でラップの掛け合いにも挑戦。新たな魅力を開花させている。
作・演出の生田大和(ひろかず)は、中学生のとき、星組公演「カサノヴァ・夢のかたみ」(作・演出、小池修一郎)をみて宝塚の世界観にほれ込んだ。2003年に歌劇団に入団し、10年に花組公演「BUND/NEON 上海」で演出家デビューした。
実は16年の雪組公演「ドン・ジュアン」もプレーボーイが主人公の作品です。主演は望海風斗。演出の生田から見た、明日海と望海の違いとは。
今作は、自身初の大劇場での一…