作家の村上春樹さん(70)が23日、パリの国立コリーヌ劇場で開かれた読者との交流会に参加し、「理想を信じる力を若い世代に引き継ぎたい」などと小説を書く意義について語った。「正しい歴史を伝える」重要性も強調した。
同劇場では、村上さんの長編小説「海辺のカフカ」を原作にした演劇(演出・故蜷川幸雄〈にながわゆきお〉さん)が、日本文化をフランスで紹介するジャポニスムの一環で上演されていた。村上さんは最終日23日の上演前、約650席が埋まった会場に、黒いジャケットにスニーカー姿で現れ、フランスの学生らの質問に90分にわたって通訳を介して日本語で答えた。
政治との関わりについて問われ…