13年ぶりのワールドカップ(W杯)出場を決めたバスケットボールの男子日本代表が25日、カタールでの試合を終えて帰国し、千葉県成田市で記者会見した。予選で開幕4連敗からの8連勝。フリオ・ラマス監督(54)は「本当に苦しかった。耐えて勝ち抜いた選手たちに感謝している」と語った。
4連敗から8連勝 バスケ男子をW杯に導いた「仏様」
日本のW杯出場は自国開催だった2006年以来で、予選を突破しての出場は1998年大会までさかのぼる。篠山竜青(しのやまりゅうせい)主将(30)=川崎=は「これがゴールではなく、出発点。バスケを日本でメジャーに、文化にしていくために、世界を驚かせるようなプレーをしなければいけない。そのためには、Bリーグを盛り上げる必要がある」。得点源の一人である比江島慎(まこと)選手(28)=栃木=は、W杯予選中の昨年4月に母親を亡くした。時折声を詰まらせながら「(母は)喜んでくれていると思うが、W杯や五輪でのプレーを約束していた。まだまだ続きがある」と誓いを新たにしていた。
男子日本代表は76年モントリオール大会以来、五輪から遠ざかるなど長らく低迷。その影響などで日本は男女とも国際バスケット連盟(FIBA)から20年東京五輪への開催国枠での出場が認められていないが、W杯出場が決まったことで五輪出場に大きく前進した。
開催国枠の確約をめざして来月のFIBA理事会に臨む日本バスケット協会の三屋裕子会長(60)は、「選手たちからバトンを引き継いだ。来年、(五輪会場となる)さいたまスーパーアリーナに彼らを立たせる。それが私の仕事」と決意を語った。(清水寿之、河野正樹)
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