スポーツクライミングの種目の一つで、壁を登る速さを競う「スピード」の記録の扱いが、今季から変わることになった。これまでの記録はすべてリセットされ、参考記録に。その理由とは?
東京五輪めざさない 21歳クライミング王者、なぜ決断
高さ15メートルの壁をいかに速く登れるか、を競うのがスピード。10日には東京・昭島で初代日本一を決める第1回ジャパンカップが行われ、終了後、藤井快(こころ、TEAM au)が準決勝でマークした6秒920、野中生萌(みほう、XFLAG)が決勝で出した9秒388が、それぞれ男女の公認日本記録として発表された。
従来の日本記録はもっと速かった。男子は昨年9月の世界選手権(オーストリア)で楢崎智亜(ともあ、TEAM au)がたたき出した6秒697。女子は11月に鳥取・倉吉で開催されたアジア選手権で野中がマークした8秒574。実際、野中がこのタイムを出した際は、「日本記録」と会場の観客へ大々的なアナウンスもあった。
日本山岳・スポーツクライミング協会でスポーツクライミング部長を務める村岡正己常務理事が苦笑交じりに明かす。「昨年までは(記録に関する)規定がなかったんです」
スピード壁には統一の国際規格…