岡山県浅口(あさくち)市は4月から、同市の国立天文台岡山天体物理観測所にある口径188センチの反射望遠鏡の貸し切りサービスを始める。今も現役で活躍する施設だが、研究利用がない日に教育や観光振興に活用する。
宇宙へ 苦難と栄光、終わらない旅
観測所は同県矢掛(やかげ)町との境界付近の山の上にあり、望遠鏡は1960年に完成。かつては東洋一の大きさを誇り、日本の天体物理学の発展に貢献してきた。近くの京都大岡山天文台にアジア最大級の望遠鏡(口径3・8メートル)が整備され、2017年末に全国の大学や研究機関による共同利用を終えた。
現在も東京工業大などが研究利用しているが、浅口市は昨夏に同大と国立天文台との間で運用協定を締結。貸し切りサービスの利用態勢を整えた。
貸し切りの日は、研究で使われない年5日間ほどを予定し、個人・団体を問わず料金は1日20万円(原則午前10時から午後10時まで)。操作やガイドは、観測所の隣にある市立岡山天文博物館員が担当する。天体観測のほか結婚式やコンサートなども想定し、活用方法などは相談に応じるという。問い合わせは市産業振興課(0865・44・9035)へ。(小沢邦男)