瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と各地の魅力を紹介し、西日本豪雨の被災地も応援する「瀬戸リスト」。今回は徳島県鳴門市の四国霊場1番札所・霊山寺(りょうぜんじ)でお遍路さんの作法を学び、復興への願いを込めた。
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瀬戸内を元気に! STU48の「瀬戸リスト」
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現在の香川県に生まれた弘法大師ゆかりの88カ所を巡る四国遍路。その中で「一番さん」と親しまれる霊山寺を訪れたのは、新谷野々花さん(14)と三島遥香さん(20)の2人だ。
案内役は、お遍路の経験が豊富で「先達(せんだつ)」と呼ばれる井内あや子(僧名・照真(しょうしん))さん(60)。「全てまわることで、願い事がかなうと言われています」
まずはお遍路用品選びから。白衣(びゃくえ)に輪袈裟(わげさ)で正装となる。菅笠(すげがさ)に金剛杖を持った三島さんは「強そうに見える?」。新谷さんは「強そう!」と上機嫌だ。
巡礼で名刺代わりになる納札(おさめふだ)には、日付や住所、名前に加え、願い事を記す。「西日本豪雨復興」。2人は、メンバーみんなの思いをしたためた。
お遍路ルックに変身した2人は山門の前で合掌、一礼してから境内へ。手洗い所のひしゃくで水をくみ、左手、右手、口の中を清める。
続く鐘楼で2人は「せーの」と突こうとするが、釣り鐘に届かない。井内さんのアドバイスに従い、「いち、に、さん!」のかけ声で挑戦すると「ゴーーン」。新谷さんは「やったあ、これじゃあ!」、三島さんは「この音が聞きたかった!」。
参拝では、本堂と大師堂を同じ要領でまわる。火をともしたロウソク1本と線香3本を供え、納札を箱の中へ。さい銭を納め、読経に移る。
「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)……」
念珠を両手にかけ、経本のふりがなを頼りに般若心経などを唱えていく2人。独特の節回しの余韻が響く。最後に納経帳へ墨書と朱印をもらい、初めての参拝の証しを手にした。
遍路道は全行程が約1400キロに及ぶ。あと87カ所。新谷さんは「大変だけど、メンバーでリレー形式なら歩けるんじゃない?」。三島さんは「歩けない人もいるかもしれないけど、個性豊かなSTUだし、頑張ろう!」と意気込んだ。(中村律)